シンティランテ02
シーザーは、ジョセフの予想通り面倒臭い男だった。
ジョナサン以上にあれやこれやと口を出しては、世話を焼いてくる。
「おめーは俺の母ちゃんか」
ある日の食事の席で呆れ混じりに言えば、物凄く心外そうに厭な顔をされた。
こっちだって願い下げだ馬鹿。
指摘されたくなかったらジョセフを構わなければ良いのに。
「起きろ、スカタン」
今朝もシーザーは、勝手に部屋の扉を開けて起こしにやってきた。
毎度毎度頼まれた訳でもなくご苦労なことである。
絶対に起きてやるものか。
聞こえないフリを決め込んで瞼をギュッと閉じるが、許さないとばかりに布団を思い切り捲られた。
「寒っ」
突然の寒さにジョセフは腕を抱いて縮こまった。
「無理無理。寒くて死ぬ」
「だったら起きろ」
助けてくれと訴えても、逆に睨まれるだけ。
布団を握るシーザーは返す気など無いらしい。
早く起きろと片足で蹴るなよ。
「どうせ今から慌てたところで遅刻だって」
だから寝かせてくれ。
ジョセフが布団を取り返そうと手を伸ばすより先に、ベットから下りなくては届かない位置に投げ捨てられる。
「今日はついでだから送ってやるよ」
不貞腐れるジョセフに溜め息を吐くシーザーが、ポケットからバイクの鍵を取り出して目の前に翳す。
「ほら、早く準備しろ」
「ヤダね」
シーザーに送迎されても嬉しくない。
歩いて行った方がよっぽどマシだ。
絶対に動くものか。
「ジョースターさん呼ぶぞ」
「止めろって!」
固く決意したジョセフだが、シーザーに部屋の外を指差されて悔し気に奥歯を噛みしめた。
シーザーは数日共に暮らすうちに、ジョセフの扱いに慣れつつあった。
いう事を聞かないと、ことあるごとにジョナサンの名前を出してくるから余計に性質が悪い。
コイツのバイクの後ろとか絶対に遠慮したいのだが、ジョナサンを引き合いに出されると弱かった。
何より彼はジョセフが不自由のない学生生活を送ることを心から望んでいるのだ。
「朝食なら用意してあるぜ」
「んー」
気の無い返事を咎めないのは、ジョセフがやって来ると分かっているからだろう。
部屋から出て行くシーザーを恨めし気に見送りながら、だらだらと着替えを始める。
わざと時間をかけてダイニングに顔を出すと、テーブルに言葉通り一人分の朝食が用意されていた。
シーザーは既に済ませているようで、さっさとしろと急かされる。
飯ぐらいゆっくり食べさせろ。
「一人で食えねぇってなら、食べさせてやろうか?」
のんびりと食べるジョセフを見下ろすシーザーが、右手を掴む。
力を込めてぐいぐいと口元に押し込まれ、思い切り跳ね除ける。
「冗談じゃないッ!」
行儀が悪いと言われようが、一気に皿の残りのおかずとトーストを口に押し込む。
苦言を零される前に洗面所へとかけこんで、軽く身だしなみを整えてリビングに戻った頃に時計を確認した。
「余裕じゃねぇか」
「遅刻ギリギリの奴がよく言えたな」
シーザーがぶつぶつと文句を呟くジョセフの頭を軽く小突き、玄関に向かうよう促す。
朝から面白くない。
完全に不貞腐れるジョセフだが、扉を出る前に一度だけ振り返って。
「いってきます」
未だ眠っているだろう兄に向け、小さな声で日課である朝の挨拶をしてから外に出た。
「ほらよ」
店の前でバイクにエンジンを掛けて待っていたシーザーにヘルメットを投げられる。
ご丁寧に他人の分まであることに、流石と思ってしまったのは仕方のないことだ。
一体何人、後ろに乗せたんだか。
可愛い女の子ならまだしも、男と二人乗りかよ。
女好きのくせにご苦労なこった。
悪態を吐くジョセフが、後ろに乗ったのを確認するとシーザーがバイクを走らせる。
今朝の仕返しとして敢えて捉まる腕に思い切り力を込めると、痛いと言って怒られた。
ヘルメット越しに殴られても、全然痛くなんて無かったけど。
事故を起こされない程度にシーザーの腹を抱く手に力を入れ続けること十数分。
正門に堂々とバイクをつけたシーザーは、ジョセフの身体を思い切り抱き寄せた。
「覚えてろよ、このクソガキ」
力の入らない体勢で大した苦しさも感じない。
何だ口だけかと思って、ざまあみろと舌を出して校内に入った。
そこで、異変に気付く。
周りの視線がやたらと生温いことに。
ヒソヒソとジョセフを見て囁く生徒達の好奇の眼。
シーザーの行動のせいで勘違いされたことに気付いたのは、バイクが完全に姿を消した後で文句を言う相手も居ない。
嵌められた。
覚えてろというのはこちらの台詞である。
今頃、バイクを走らせる男は笑っているに違いない。
想像するだけで腹が立つ。
帰ったら、絶対に報復してやる。
意気込むジョセフだったが、放課後になって夕飯の買い出しをする頃にはシーザーのことなど頭から抜けていた。
献立を考え、新鮮な野菜を買えた喜びに浸る帰り道。
女の子連れのシーザーを見て、今朝の出来事を思い出す。
しかし、ジョセフの両手は買い出しの荷物で塞がれており、ちょっかいを出すには微妙に動き難い状態だった。
安いからって買い過ぎたな。
帰ってからにしよう。
尤も、あの色男がこの時間に女連れという時点で朝帰りの可能性が高かったけれど。
「ケッ」
随分と楽しそうなことで。
こっちは、学生らしく家の手伝いをして健全に帰宅しているというのに。
面白くない。
兄は今日も店の営業があるから、夕食を共にすることはない。
明日が定休日であることを踏まえ、ディオが訪れるのも確実だった。
夕飯は用意しなくても良いと朝に言われたのが、何よりの証拠である。
シーザーが居ないとなると、ジョセフ一人なのだ。
自分もどこかで済ませてしまった方が良かったかもしれない。
友人であるスモーキーの誘いを断るんじゃなかった。
がっくりと肩を落とすジョセフは、哀愁を漂わせながら帰宅するはずだった。
「学校帰りに買い出しなんてジョジョにしては、偉いじゃないか」
突然、隣から声を掛けられて荷物を一つ奪われるまでは。
奪われたと言ってもひったくりに盗まれたわけではない。
相手は、勝手知ったる男。
ただ、少し前まで女の子と楽しそうに話しているのを見たばかりで、ジョセフの頭が状況を理解するまでに暫し時間を要した。
「何でてめーが此処に居るんだよ」
無論、何故目の前に現れたのか尋ねたわけではない。
女連れだったくせに、ジョセフのもとに来るとはどういう了見だと問い質したのだ。
別に、一緒に暮らしているからと言ってお互いに干渉する必要もない。
シーザーはシーザーで同居のルールを守っている。
此処でジョセフを手助けしなければならない理由など、どこにもないのだ。
「…余計なお世話だっての」
むしろ、情けを掛けられたことに腹が立つのに、シーザーは苦笑いを浮かべて。
「中々離してくれなくて。逆に助かったよ、ジョジョ」
厭味とも取れる台詞を吐いた為、ジョセフは口元を引き攣らせた。
女性にモテるキザ男様はさぞ大変なことで。
早く愛しの女の子のところに帰れと言っても、シーザーは取り合わない。
「バイクはどうしたんだよ」
「店の裏に停めてある。本当に少し用があって出掛けただけなんだ」
結局、とりとめのない話をしている内に二人仲良く帰宅する羽目になった。
並んで歩き、店の入り口が見える位置まで来た頃、ジョセフの眼にジョナサンの姿が映る。
彼は表に出してある黒板を夜のメニューへと変えているところだった。
「兄ちゃん!」
朝顔を合わせる時間がなかったこともあり、ジョセフが笑みを浮かべて走り寄ろうとしたその瞬間。
二人を遮るように、別の影がジョナサンの前に立った。
ディオだ。ご丁寧に毎度決まった時間に現れるから間違いない。
ジョセフより近い位置に居るディオに声を掛けられたことで、兄を呼んだ声は届かず消える。
こちらがジョナサンから見えないように立ったのはわざとだろう。
普段なら、邪魔するなと叫んで間に割って入るところだが、二人の間に漂う空気がジョセフを阻んだ。
嬉しそうな顔しちゃって。
はっきりと見えないものの、兄がどんな表情をしているかは手に取るように分かった。
立ち止まるジョセフを怪訝そうに見ていたシーザーは、目の前とこちらとを見比べてなるほどと頷いていた。
勝手に納得してんじゃねぇよ。
文句を言う気力もなく、シーザーを睨みつけるだけのジョセフの手を当然のように掴んだ。
「行くぞ」
そして、ぐいぐいと引っ張っていく。
余計な気を回しやがって。
日頃からの不満を含めてぶつぶつと呟いていると、シーザーに頭を無遠慮に撫でられる。
「ブラコンもほどほどにしとけよ」
「ちげーよ、馬鹿! ただ…ちょっと考え事してただけだ」
こちらを気を遣ったかと思えば、おちょくった台詞を投げかけてきて実にいけ好かない男だ。
兄貴面してんじゃねぇぞ、クソッ。
今もそうだ。
家に入る前にジョセフがくしゃみをしただけで、寒いのかなんて心配そうに声を掛けてくる。
面倒見の良いシーザーの無意識の言動がジョセフは苦手だった。
「どっかの誰かさんが、人の布団引っぺがすから風邪ひいちまったかもな」
今朝の当てつけに棘のある声で苦々しく吐き出した言葉も真に受けて、熱があるのかもしれないと言って額に手を当てるのを止めてくれ。
こんなはずじゃなかった。
快く思っていない相手でも、いざ心配されると気恥ずかしい。
「後は任せたぜ、シーザー!」
照れ臭くなったジョセフは、荷物をシーザーに押し付けて家の中へと逃走した。
後ろで非難する声が聞こえたけれど、戻る余裕なんてない。
部屋に駆け込みやっぱりアイツ駄目だと項垂れた。
その夜の食卓。
あまり食べ物が喉を通らなかったジョセフは、意外に自分は繊細だったのかもしれないと密かに思っていた。
ニヤニヤと愉しそうに反応を伺うシーザーのせいだ。全部。
弟みたいとか思ってんじゃねえぞ、畜生。
その考えが見当違いであることに翌朝になって気付かされるとは知らずに。
寒い。
重い瞼を持ち上げたジョセフが最初に感じたのは、肌寒さだった。
布団を頭から被っているはずなのに可笑しい。
時間を確認しようとして部屋の時計を見ると、普段の起床時間より三十分以上早かった。
二度寝を決め込むか逡巡して、ゆっくりとベッドから起き上がる。
寒い上に、怠い。
心なしか喉もイガイガするように感じる。
多分、風邪の初期症状だろう。
昨夜、寝る前に感じた寒気は単に部屋が冷えたからじゃなかったのか。
あまり食欲が無いと感じたのもこれが原因かもしれない。
今日は学校をサボろう。
正当な理由があるから問題ない。
風邪の時は寝るに限るのだ。
その前に、乾いた喉を潤しに行こう。
「おはよう、ジョセフ。今朝は早いんだね」
まだ誰も起きていないと確信して部屋の扉を開けたジョセフは、声を掛けられてビクリと肩を揺らした。
どうして今日に限ってジョナサンが起きているんだ。
店がある日だってジョセフが登校する前に起きないし、休みの日には起こしたって昼過ぎまで目を覚まさないあのジョナサンが。
「…兄ちゃん。出掛けるの?」
疑問は、リビングで忘れ物が無いか確認する兄の姿を見てすぐ解決された。
そういえば、数日前に観劇に行くと聞いた気がする。
「遅くなると思うから、僕の夕飯は用意しなくて良いよ」
申し訳なさそうに眉を下げて笑うのは、ディオと約束している時の癖だ。
ジョセフが二人で出かける度に不機嫌になるから、いつしか苦笑いで誤魔化すようになった。
やっぱりあの野郎とかよ。
「ジョセフ? 君…何だか顔色悪くないか?」
黙り込むジョセフに、ジョナサンの手が伸びる。
此処で具合が悪いと一言口にするだけで、心優しい兄はあの男との約束を反故して傍に居てくれるだろう。
昔みたいに頭を撫でて、不器用な手つきでリンゴを剥いて、すぐ治ると寝付くまで手を握っていてくれる。
「あー…昨日遅くまで課題やってたから、ちょい寝不足なのよ」
ジョセフは直前までジョナサンの手を取りかけて、止めた。
彼が約束を楽しみにしていたことを知っていたからだ。
それに、この歳で兄が恋しいと素直に言葉にするのは憚られた。
「土産楽しみにしてるぜ!」
だから、いつも通りの笑顔で見送る。
玄関の扉が閉まる前、後ろ髪引かれるように振り返ったジョナサンに手を振れば、彼は軽く手を上げて出掛けて行った。
「はー、これで良しっと…」
夜遅くなると言っていたし、学校を休んだこともバレない。
「寒っ」
ジョナサンと話しているうちに、寒さと気怠さは更に増していた。
こんなに一気に悪化するものなのか。
もしかしなくても、昨日より前から既に風邪をひきかけていて自覚症状が無かっただけかもしれない。
ぼんやりしてきた思考でジョセフは、とりあえず水が先だとキッチンへ向かう。
冷たい水が喉を通る感覚が気持ち良かった。
立っているのが億劫でダイニングテーブルに突っ伏しながら、空きっ腹で薬を飲むべきか迷う。
えっと、薬は何処に置いてあったっけ。
確か、リビングの…。
場所を思い出したのは良いが、今度は動くのが面倒になってきた。
もう此処で良いから少しだけ寝てしまおう。
ゆっくりと瞼を閉じかけたその時、頭を軽く叩かれた。
シーザーが起きたのか。
「寝るならベッドに行けよ」
病人なんだから丁重に扱え。
ジョセフが緩慢な動きでシーザーを見上げる。
それだけでシーザーは状況を理解したようで、座っていた椅子から持ち上げられる。
そのまま肩を借りる形で連れられたのは、ジョセフの部屋のベッドの上だ。
「俺のせいで風邪ひいたとか抜かすんじゃねぇぞ」
「そうそう、シーザーちゃんが俺の布団を奪うから」
「冗談が言える程度には元気なようだな」
額に手を当てる仕草は昨日と同じ。
ジョセフが気付かなかった変化に、シーザーは気付いていたのかもしれない。
「俺は平気だから、さっさと大学行けよ」
記憶が確かなら、今日も朝から講義がある日のはずだ。
ジョセフに構う時間なんて無い。
早く部屋から出て行け。
そうじゃないと、うっかり零れてしまう。
寂しいとか、苦しいとか。
病気になると決まって出てくる弱い感情が。
「こう見えて頑丈だから、夜には治っちゃうって」
兄も誤魔化せたのだ。
大丈夫、今も上手く笑えている。
「…そうか」
「だから早く行けよ、スケコマシ」
「はいはい」
ジョセフの笑顔は完璧であったにも関わらず、シーザーは頷くだけで部屋から出て行かない。
子供を宥めるように頬や前髪を軽く撫で、ジョセフの言葉を聞き流してしまう。
止めろ、止めてくれ。
シーザーの優しい手が兄であるジョナサンと重なり、つい縋りたくなった。
「ち、違っ。これは…」
無意識に掴んでしまった手。
自然と握り返された手の力が思いの外強くて、振り払うことが出来なかった。
「大丈夫だ、ジョジョ。心配しなくて良い」
何を、と聞き返すことが出来なかったのは、見下ろすシーザーの眼差しがとても穏やかだったせい。
寂しいと密かに訴える心がほんのりと温かくなるのを感じて、ジョセフは泣きそうになるのを堪えてギュっと目を瞑った。
「…寝たのか?」
今だけだ。
どうせ、この部屋には自分とシーザーしか居ない。
シーザーの声に応えず寝たフリすることで、ジョセフは優しい手を受け入れたのだった。
知らない間に眠ってしまったらしい。
不意に意識が覚醒して目を開いた頃には、身体がかなり軽くなっていた。
上半身を起こして窓に視線を移す。
寝ていたのは数時間だったようで、外の景色はいつの間にか青空から夕焼けに変わっていた。
あれだけ怠かった割に気分はすっきりしていて、白昼夢でも見ていたのかもしれない。
そう思ってしまうのは、眠りにつく前のシーザーがやたらと優しかったせいだ。
気遣わしげにそっと触れる指と、自分より冷たく心地好いと感じた体温。
夢だと決めつけるには現実感が残り過ぎて、何故かと考えたジョセフは自分の手元を見て納得した。
視界に入るのは、ベットの横でジョセフの手を握ったまま眠るシーザーの姿。
それを見て思わずホッと息を吐く自分に驚いた。
風邪のせいでほんのちょっとだけ弱気になっていただけだ。
コイツが隣に居るから安心するなんて、そんなこと。
違うと思うのに、未だ握られた手自分からは離せなかった。
不自然な姿勢にしてはよく眠っている。
だからと言って床に座り込んだまま眠り続けたら、今度はシーザーが体調を崩す。
「シーザー。今度はおめーが風邪ひいちまうぜ」
この程度の声じゃ目を覚まさないのだろう。
起きたらそれで良いかくらいの気持ちで跳ねた髪を空いた手で何気なく撫でていたら、唐突に掴まれた。
気づいたのか。
そう思ったのも束の間、うっすらと半分だけ開いた瞼はジョセフをジョセフとして認識しなかったらしい。
「ちょ、ま、おまえっ…」
近づく顔に厭な予感を覚えて逃げるより先に、シーザーにキスをされていた。
しかも、濃厚な奴を。
「良い朝だね、シニョリーナ」
朝はとっくに過ぎているし、シニョリーナじゃない。
ちゃっかり舌まで入れやがったシーザーは、相手が誰か認識しないままキスを顔中に降らせていく。
前言撤回。
やっぱりコイツは最悪だ。
唇をごしごしと乱暴に拭いながら、未だ覚醒しない男の鳩尾に一発食らわせてやった。
「寝ぼけてんじゃねぇぞ、このスケコマシ!」
床に沈むシーザーに感謝を告げる気にはならなくて。
これで帳消しだ。
息巻くジョセフは、床に倒れるシーザーを置いて水を飲みにキッチンへと向かう。
「ジョジョ…きさま」
シーザーの恨めしげな声が聞こえた気がしたけれど、知るものか。
背後を見ず、片手をひらひらと振るジョセフは、キッチンに駆け込むなり、冷蔵庫から取り出したペットボトルに入った水を一気に飲み干した。
大分、体調も回復したから今夜は夕飯を作ってやってもいい。
感謝だとか、お礼だとか、言わない代わりに。
結局、ジョセフの気持ちはキッチンに現れたシーザーによって数分後に無駄になってしまうのだけれど。
病み上がりは寝てろとキッチンから追い出されたジョセフが、粥を持って部屋を訪ねたシーザーを無視してふて寝決め込み、食べさせる食べさせないの論争に発展するのも時間の問題だった。